仮面夫婦と聞くだけでなんだか家庭環境を心配してしまいますが、子供にはどのくらい悪影響なのでしょう。
実は仮面夫婦だから必ず心の病になるわけではなく、影響が心にだけでる訳でもありません。
本来の夫婦関係ではなくなっても、子供の面倒を見るという目標に向かって協力し合える夫婦は、思いのほか多く存在します。
また、自分にそんなつもりはなくてもパートナーからはとっくに見切られているケースも少なくはありません。
この記事では仮面夫婦のどんな言動がどんなふうに子供に悪影響を与えるのかについてまとめました。
心身の発達は目に見えないので、知らない間に大きな影響を与えてしまう前に、しっかり知識を入れて気づける敏感さを養っておきましょう。
仮面夫婦は子供に悪影響って本当?

仮面夫婦という単語の響きだけで「子供がかわいそう」と考えてしまう人も少なくはないでしょう。
仮面夫婦は子供に悪影響を与える場合もある、というのが私の考えです。
ですが「仮面夫婦=不幸」とひとくくりにまとめられるものではなく、男女感の愛情がなくなっても「子供を育てる」という同じ目的においては協力している夫婦もたくさんいます。

私も今は仮面夫婦。
そこそこうまくやっている気がする。
責任感があるのなら仮面夫婦であっても子供に悪影響をあたえない場合もあります。
仮面夫婦が子供に悪影響を与えるのはどんな時?


仮面夫婦だから必ずしも子供に悪影響をあたえるわけではないですが、悪影響を与えるきっかけが普通の夫婦より多くなってしまいます。
仮面夫婦と自覚がある人は、子供に悪影響を与えないように、慎重に夫婦関係を保たなくてはいけません。
特に悪影響を与えやすい事例を3つ挙げて解説します。
夫婦間の暴言を目の当たりにした時
仮面夫婦は普通の夫婦と比べて不満がたまりやすい分、話し合いが口論に発展しがちです。
本人たちは話し合っているつもりでも、語気が強くなったり声を荒げてしまうこともあることでしょう。
ついついヒートアップしてしまう人は話し方の癖を変えるだけで、口論やけんかにならず、丸い話し合いができるようになります。
【声を荒げがちな人におすすめの言い換え】
・なんでこんなこともできないの?
→これを協力してほしいけど、お願いするのは難しい?
・だからいったでしょ?
→次はこうしてほしい。
夫婦間の暴言は子供にとって「心理的虐待」に当たり、心にストレスを感じてしまいます。
- 否定文は肯定文に言い換える
- 相手に聞こえる程度の声量で静かに話す
- 言葉を遮らず相手が話し終えてから話し始める
この3つを意識すると、会話はほぼ暴言ではなくなるでしょう。



暴言っぽくなくなるだけじゃなくて意思疎通がしやすい会話になるわ。
夫婦間で話し合いをするときは静かに、冷静に、意味なく相手を攻撃しないように注意が必要です。
すぐに口論に発展してしまう夫婦は、座る位置関係を変えるだけでも改善効果がありますよ。
パートナーの悪口を子供の前で言ってしまう時
お互いにパートナーの不満をため込みすぎると、どこかで発散させたくなってつい子供にパートナーの悪口をいってしまっていませんか?
子供の性格にもよりますが、素直な子なら「パパは悪い人なんだ」「ママは残念は人なんだ」といった思い込みをしてしまうことも。
例えばこんなことに気を付けましょう。
【子供に言わないほうがいいパートナーの悪口】
・稼ぎが悪い
・家事・料理が下手、または苦手
・くさい、汚い
・老けた
・帰ってこなければ楽なのに
ついついボソッと言ってしまいな人も多いのではないでしょうか。
判断基準がまだ固まっていない幼い年齢なら、この何気ない一言が洗脳のような影響を与えかねません。



幼児なら一日中一緒にいるママが、子供に「パパは嫌い」と思わせるなんて簡単なのよ。



この逆をすれば信頼関係が築けそうね。
いないところで褒めるといいことありそう。


生活がままならなくなる時
喧嘩をしたり疲弊しても、衣食住の提供は親としての義務です。
【親として必要最低限やらなくてはいけないこと】
・食事の提供
・睡眠の確保
・洗濯やお風呂など衛生面を整えること
・精神的に安心して暮らせる環境
親である夫婦が病んでしまい、仕事や家事などがおろそかになってしまうと生活が回らなくなってしまいます。
子供のためにと仮面夫婦を続けたいなら、煮詰まりすぎないように折り合いをつけて、子供の幸せのために協力関係を築かなくてななりません。



疲弊するほどぶつかり合うくらいなら、上手に距離を置く方がおすすめ。
【関連記事】夫婦感の距離を取る方法は3つ!離婚せず上手に距離を置くには?
仮面夫婦に不向き!離婚した方がいい夫婦の3つの特徴


私が思う「いい仮面夫婦」とは、お互いに干渉しすぎない距離感を保ちながらも、子供のことなど目的のためにはある程度協力関係を築ける関係性です。
逆を言うと距離感が近すぎて喧嘩ばかりしたり、子供がないがしろになってしまうようなら離婚した方が幸せになれるのではないでしょうか。
具体的な仮面夫婦に向かなない夫婦の特徴は
- 理性が保てなくなった仮面夫婦
- 協力関係が築けない夫婦
- 暴言・暴力が出る夫婦
理性が保てなくなった仮面夫婦
「仮面夫婦を続けるのは子供のため」
という軸がぶれて理性が保てなくなると「子供に悪影響かどうか」よりも自分のプライドが大切になります。
特にイライラして子供に八つ当たりをしてしまうなら、絶対に言ってはいけない言葉が3つあります。
【子供に絶対に言ってはいけない言葉】
・あなたがいるせいで離婚ができない
・あなたを生むんじゃなかった
・パパ(ママ)そっくりで嫌い
子育てはきれいごとだけではないので、時に声を荒げて叱ることはだれしもあるでしょう。
ですが子供の存在を否定するような言動が出てしまったら、理性が保てなくなっている状態と言えます。
離婚することも念頭に、まずは子供と自分を大切に暮らせる環境を整えた方がいいのかもしれません。
協力関係が築けない仮面夫婦
子供を育てるという目標において協力関係が築けなくなったら、もはや仮面夫婦でいるメリットがありません。
【夫婦間における子育ての協力関係】
・経済的に支えてもらえなくなった
・家事や料理などで支えてもらえなくなった
・隙あらば相手のことを落としいれようとしている
・子供のことに興味がなくなりネグレクト気味に
自分のことは自分で、とはいえ、子供が小さくて働けない人や仕事が忙しくて家事のために時間を割くのが難しい人もいますよね。
そんな状況下で自分の役割を果たせなくなったら、お互いに無理に夫婦を続ける意味は薄いのかもしれません。
仮面夫婦であるならばお互いが「配偶者として自分が必要な理由」を常に自問自答することが必要でしょう。
暴力が出る仮面夫婦
暴力が出るのは論外です。
パートナー同士でも、子供に対しても、仮面夫婦のストレスに起因する暴力が出た時点でアウトです。
子供にとって
- 体罰で命令する
- 暴力を目の当たりにした恐怖から言うことをきくようになる
といった暴力の影響下に置かれると、心の発達にも体の成長にも影響してしまいます。
特に繊細と言われているHSC(ハイリーセンシティブチャイルド)の気質を持った子なら、より一層悪影響なため暴力は本人にふるうのはもちろん、見せるのも絶対にダメです。
暴力で簡単に思い通りになると味を占めてエスカレートするケースも多いため、手が出たらレッドカードと認識しましょう。
【HSCとは?】
最近話題になっているHSP(ハイパーセンシティブパーソ)の気質をもった子供のことです。
「繊細さん」とも呼ばれるこの気質を持った子供は、例えばほかの子が怒られているのを見て登校拒否に発展するケースも…
特別な存在と思われがちですが、5人に1人はHSCの気質があるといわれているため他人事ではありません。
ストレスを感じていることに自身がきづけなかったり、表現がまだ未熟であったり、大人が気づきにくい場合も少なくはありません。
仮面夫婦が原因で子供に起こりうる悪影響


悪影響は目に見えるものではありません。
気づかないうちに少しずつ子供に影響が出て、気がついた時には取り返しのつかないタイミングだったら困りますよね。
実際にどんな影響が出やすいのかを知っておけば警戒して観察することができるでしょう。
心理的影響
一番身近な親が信頼し合っていないのを悪い見本にして
「他人を信頼する」
という対人関係の基礎とも言える部分が形成されにくくなります。
信頼関係を築けないと対人関係が不器用になるだけでなく、攻撃的になったり落ち着きがなくなることも。
信頼関係とは?というお手本を示せなくなると、信頼関係という概念が心の中に形成できなくなってしまいます。
体への影響
悪影響は心だけではなく、体に出てしまうことも。
- 物理的暴力による傷
- ネグレクトによる食事不足で栄養障害に
- ネグレクトから買い食いが増えることで病的肥満に
- 愛情不足により成長ホルモンの分泌不全で体の成長に影響
ホルモン分泌異常による低身長症は必ずしも保護者のせいというわけではありませんが、虐待による心身への影響から起こるケースもあります。
【ホルモン分泌異常の低身長について】
私の息子も低身長です。
虐待によるものではなく低身長症が発覚したのは仮面夫婦化する前の話なので、心理的ストレスが原因ではありません。
私の両親の身長がおかしいので、遺伝によるもののようです。
ストレスからホルモンバランスが乱れて低身長症がになるケースもありますが、あくまで原因の一つ。
検査入院しましたが、入院中は両親揃ってお見舞いに来る同室の保護者も多かったことから、背が病的に低いのは必ずしも虐待が原因ではないことも分かっておいてください。
学習面での影響
家庭環境が不安定になると集中力が落ちるため、学習にまともに取り組めなくなることもあります。
常に心配事が頭の中でもやもやしていると、不安で勉強どころではありません。
ひどくなると登校すらできなくなってしまうこともあるため、同学年の子供に比べて学力の差がどんどん開いてしまいます。
学校の勉強は段階を踏んで進むため、つまづくと次の段階が理解できず、どんどん落ちこぼれてしまうのが怖いところ。
不登校や落ちこぼれなどに気づいたら、学校に相談するなど早めにフォローしてあげたいですね。
子供にとっての仮面夫婦の理想的な関係性


子供にとっての仮面夫婦の理想形は、「パパのこともママのことも尊敬している」と子供が思う状態です。
そのためには相手のことが嫌いであっても、尊敬できる部分は認める必要があります。
つまらない意地やプライドは捨てて、仮面夫婦でいるためのメリットを考えれば、相手に感謝する部分も少なからずあるのではないでしょうか。



嫌いなら離婚すればいいでしょ?
とはならないのが夫婦なのよね。



離婚するのもしないのも、両方とも覚悟がいるってことね。
パートナーと価値観や考え方、性格などが合わないとしても、お互いに尊重して協力し合えれば、子供にとっては両親が尊敬の対象になるでしょう。




最後に~
仮面夫婦でも子供に悪影響が出ない夫婦の特徴は
- 質のいい生活するために意地を張らず協力できる
- 暴言や暴力などとは無縁で、必要最低限の話し合いが落ち着いてできる
- いいところを客観的に認めて尊敬しあえる
仮面夫婦は子供にとって必ずしも悪影響を与えるわけでありませんが、仲のいい夫婦と比べると悪影響となる要素が多い特徴があります。
仮面夫婦になってでも子供のために離婚したくないという人は、無駄なプライドは捨てて生活のプラスになることを目指しましょう。